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月別アーカイブ: 11月 2009

「2010年問題」への武田薬品の対応

日経新聞11月30日

こんにちは。
前回に続いて、製薬業界の話です。

【概要】
     takeda

・武田薬品工業は、大型製品(売上げ3000億円の糖尿病薬など)の米国での特許切れが相次ぐ「2010年問題」を抱える。
・中規模医薬品(売上が数百億円規模)の品ぞろえを増やし、大型薬の販売急減の影響を最小限に抑える狙いだ。
・2011年以降、米国で貧血治療薬などの医療用医薬品を相次いで売り出す予定。

【解釈】
たしか医薬品は、特許を取得してから一定年数経つと特許が切れてしまうため、その薬では儲けられなくなります。それらは後発医薬品として他社が同様の商品を売り出されます。だから武田薬品などは、常になんとか新薬を生み出し続けなければ生き残ることはできないので、大変です。

そして2010年に、武田が持っている大型薬の特許が一気に切れるのでこれはなんとかしなければという訳です。そこで中規模医薬品をたくさん売りそうという話でした。

製薬業界にとって、いかに「売れる新薬をたくさん生み出し続けられるか」は非常に大事だと思います。その新薬の創発スピードを上げるため、昔から様々な工夫がされてきました。

ある企業は、新薬開発にかかる各プロセスにおいて細かいノルマ作り、研究者たちに課して無理やり効率的に開発させました。
またある企業は、研究者たちに程良い自由度をあたえ、創造性を生まれやすくすることで開発をはやめようとしました。
どちらも結果を出しており、どのやり方がいい悪いというものではないと思いますが、過去にそのような試行錯誤がなされてきました。

そして今回の2010年問題は武田薬品にとって苦しい問題ですが、逆にいえば、成長チャンスでもあると思います。

未承認のタミフル広告で摘発

日経新聞091126

こんにちは
新型インフルがめっちゃ流行してますね。
それに伴い「タミフル」の需要は増えていますが、
この特需に注目して違法なビジネスを行っている会社の摘発記事です。

【概要】

   タミフル
・「タミフル」の販売広告を国の承認を受けずにネット上に掲載したとして、大阪府警は医薬品の個人輸入代行を手掛ける大阪、東京などの5業者の関係先、12か所を薬事法違反容疑で一斉に家宅捜索した。
・新型インフル流行による需要拡大につけ込んで違法に販売していた疑いがあるとみられている。
・スイスの製薬会社ロシュが開発したタミフルの輸入販売は、国内では中外製薬のみに認められている。

【解釈】
薬事法は非常に厳格は法律であり、承認されていない薬を販売することや、企業が勝手に「~に効く」などと効果効能をうたうことは禁止されている。タミフルの需要拡大に伴うこのような企業の違法行為は、きっと予想されていたのだろう。

ちなみに健康食品の違法販売企業は、厳密に考えれば多くあるはずだが、その数がとても多いためにすべてを摘発しきれない。これと同様に、タミフルを違法販売している事業者も、まだまだどこかに潜んでいると思う。

違法企業の摘発も大事だが、消費者に対する、タミフル購入に関する啓蒙活動も欠かせないだろう。

コジマが書籍販売!?

日経新聞11月24日

こんにちはaskyouです。
長野はかなり寒いです(+o+)
新型インフルに気をつけましょう!

【概要】
・家電量販店のコジマは書籍販売に乗り出す。
・今回開業するのは「コジマブックス文教堂茨木店」で、家電店「コジマNEW茨城店」の3階全体を使う。
・雑誌やコミックなど12万冊を販売。年間売上高1億5000万円を目指す。
・家電購入時にたまるポイントを書籍に使えるようにする。

【解釈】
出版業界はのきなみ不況で、本が売れない時代といわれている。そんな向かい風の時代に、しかも家電販売企業があえて書籍販売を始めるというのは、かなり意外である。

きっと、この「コジマNEW茨城店」のある付近に、大きな書店がないのだろうが、・・・・それだけの理由で参入するわけがない。書籍販売と聞いて、最初はPCスキルとか、機械関係の書籍を少しだけ売るのなら理解できる。しかし今回はコミックなども含めた規模の大きいものである。

なぜこのビジネスを始めたのか?
ただ、一つ予想できることは、本の「品ぞろえ」である。PC関連の実用系書籍はもちろん、アニメや同人誌系の本、つまり、秋葉原にいる人たちが好みそうな書籍を充実させるのではないか思う。

コジマは家電のお店。多少こじつけだが、いわゆるアキバ系の人たちが来店しやすい類のお店だと思う。だからこそ、家電のお店が書籍販売をするなら、電気好きなアキバ系に受けそうな書籍を豊富にそろえるのは自然なことではないかと思った。

ただ、本当にうまくいくのか、私にはとても予想がつかない。

Z会が幼児向け通信添削をスタート

日経新聞11月28日

こんにちは。
何日か前にZ会の記事を書きましたが、また気になるニュースを発見したので、ご紹介します。

【概要】
      z
・通信添削大手のZ会は2010年度から幼児向けの通信添削教育を始める。
・少子化で経営環境が厳しくなる中、大学受験に強みをもつZ会の教材に幼いころから親しんでもらい、将来の会員増につなげる。
・「Z会幼児コース」は、毎月子供1人で取り組む教材や親子で取り組む教材、保護者向け解説書・情報誌と添削教材の4種類を受講者に送る。教材テーマには「なかま」「みず」などがある。料金は月額3000円。

【解釈】
私は中学生のころ、小学生のころ赤ペン先生で有名な「学研」という通信添削をやっていました。覚えている方もいるかもしれませんが「まだかなまだかな~学研の~おばちゃんまだかな~」というCMのやつです。その中の「科学」という教材には、毎月「ふろく」として簡単な実験キットがついてくるんですが、それをいじるが楽しかったんです。勉強ではなく遊びという感じでした。今回のZ会の幼児コースも、似たようなものではないかとイメージしています。

中学高校の通信添削は、おそらく多くの子供が、友達の話やDMを見て自分から「これやりたい」といって親にお願いするという流れだと思います。しかし幼児の場合はそういうことはなさそうなので、どうやって親に興味を持ってもらうかが大事だと思います。つまり、幼児コースの顧客は「親」と考えるべきでしょう。

集客は難しいと思います。受験コースのような必要性は感じにくいものだし、幼児教育にお金をかけられるのはある程度、可処分所得の多い(給料の多い)家庭に限られると思います。

そうなると、ターゲットは「中流階級以上の中金持ち家庭の親で、なおかつ幼児教育に対して興味があり少しくらいはお金をかけられる。でも天才育成幼児教室のような本格的なところに通わせるほどのお金も興味もない」そんな感じの人がターゲットになると思います。

任天堂などが新興国を開拓

日経新聞11月21日

こんにちはaskyouです。
私は高校生の時以来、ゲームをほとんどやりませんが、ニコニコ生放送の「トルネコの大冒険」の実況プレイなどを見ると、またやりたくなってきてしまいます^_^;
そんなゲームに関するビジネスの話です。

【概要】

ninntendo
・ソニー・コンピュータ・エンタテインメント(SCE)は、ブラジルとインドネシアで「プレイステーション」を発売、対応ソフトも順次投入する。
・任天堂も中国と韓国で携帯型ゲーム機を発売する。
・国内ゲーム機大手はこれまで日米欧の販売に頼ってきたが、景気低迷で需要は頭打ち。
・アジアや南米などの新興国でも最新ゲームをダウンロードできる通信インフラが整ったとみて有望市場の開拓に乗り出す。

【解釈】
SCEや任天堂が展開してきたゲームビジネスを、これから新興国でも展開していこうという内容。新興国市場は、市場が巨大なため企業の成長にとっておいしい領域である。その市場において、どの企業がいち早くシェアを獲得できるかは大問題。そのため、どの企業も参入のタイミングを慎重に見計らいながら準備を進めているのだろう。

サブウェイがレタスを店内栽培

日経新聞11月27日

こんにちは。
サブウェイというサンドウィッチ屋は、長野ではほとんど見ないのでなじみがありませんが、東京ではよく見かけますね。

【概要】
サブウェイ
・サンドウィッチ店182店を展開する日本サブウェイは2010年1月にもサンドウィッチの材料に使うレタスの栽培設備を備えた店を開く。
・消費者の食材に対する安心感を究極まで高めた、地産地消ならぬ店産店消とでも呼ぶ取り組みだ。
・店内にガラス張りのブースを置き、中に3段式の栽培棚を設置。光源にLEDを使いレタスの成長促進にCO2濃度を高める。
・年間17回の収穫が見込め、一号店の年間収穫量は816個で、通常店のレタス使用量の1割程度にとどまる見通し。今後、比率を高めていく考えだ。
・まず首都圏に1号店を出し、10年中に3~5店開く。

【解釈】
まさか店内で野菜を栽培するとは、お客からしたら喜びの演出かもしれない。記事には「食材に対する安心感を究極まで高めた」とあるが、本当にそうなのだろうか。

確かに、どこでどのように作っているかという「トレーサビリティー」という観点では、この上なくわかりやすいというメリットはあるだろう。
しかし、今後このような形態のお店が増えれば、お店によってレタスの品質のばらつきが出てしまう可能がある。なんらかの理由で栽培が上手くいかなくなってしまった場合の大きなリスクを抱えている。

考えてみて思うのは、店内栽培は、コスト削減よりも、「話題性」「店内の演出」が狙いではないかと思う。なぜなら、レタスを店内栽培してもそれが通常使用料の1割程度だからだ。それが5割とか7割とかだと、大きなコスト削減につながる計算があるかもしれないが、1割程度なら、大した効果はない。

また、先述のレタスの安定供給という視点で考えると、メインは従来の供給方法で、店内栽培は見せ物程度にしておいたが無難だろう。

LEDは中小企業も輝かすか?

日経新聞091118

こんにちは。
ちょっと気になっていたけど書けずに溜まっていたネタがあります。
LEDに関する記事です。

【概要】

LED

LEDタワー

・中小メーカーがLED(発光ダイオード)関連の事業を拡大する。
・大手と連携してLEDの寿命を延ばす技術を開発するなどして市場を開拓する。
・LEDは家電や自動車など幅広い用途で需要の拡大が見込まれる。
・調査会社のアイサプライ・ジャパンによると、2013年のLEDの世界市場規模は、08年比で約2倍の約1兆2700億円に達する見通し。
・LED関連市場は大手企業も力を入れているため、資本力のない中小が競争で勝ち抜くのは困難。しかし「基盤技術の改良なら資本力に関係なく参入する余地はある」と早稲田大鵜飼教授は言う。

【解釈】
最近、LEDに関する記事が増えてきたように思う。それだけ、LED関連市場の拡大にともなうビジネスチャンスに注目が集まっているということだろう。

この魅力的な新市場では、当然ながら資本力のある大手企業が有利だが、他社よりも早く魅力的な技術を開発できれば、中小企業でも大きく儲けることができるということだ。だからこそ、今はこぞって技術開発合戦がおきているといった感じがする。

日本は技術立国と昔から言われているが、LEDに関しても世界で受け入れられるような技術を早期に開発することを期待している。

※・・・なんだか解釈が甘いですね・・・スミマセン(+o+)

この献立サイト知ってますか?

日経新聞091126

こんにちは。
今日の長野は快晴で、心地よいです。
今回の記事は、やわらかい内容です。

【概要】

   kukkupad
・TBS系列の28局は12月1日、献立共有サイトの「クックパッド」と連動した新しい料理番組「ごごネタ!クックTV」の全国放送を始める。
・クックパッドに主婦らが投稿したレシピを実際に作る様子を放送。
・携帯電話を含む複数の媒体が連動する新手法で、サイト利用者の拡大と広告主の開拓を狙う。

HP「クックパッド」
http://cookpad.com/

【解釈】
私は料理は好きですがレシピサイトというのは見たことがなかった。サイトを見てみると、親しみやすく、ユーザーが作っていくサイトという印象を受けました。企業情報を見てみると、「30代女性の4人に1人が利用する日本最大の料理サイト」「月間770万人が利用」と書かれていました。

このサイトがTVと連動するというニュースですが、クックパッドにとっては非常においしいチャンスを得たのだと思います。私のイメージとしては、「キューピー3分クッキングをもう少しフランクかつ視聴者参加型にしたもの」と行った番組(予想)だと思います。

ネット上のサイトがTVと連動して放送されるというのはあまり聞きませんが、今回それが実現されるのは、次の3つの理由があると思います。
①料理番組というジャンルが、一定の支持を受けつづける分野だから。
②ネットの普及により、主婦もネットを使うようになったから。
③この「クックパッド」というサイトの知名度が高くなってきたから。

巨大化する水ビジネス

日経新聞11月24日

おはようございます。
今回はスケールのおおきな「水ビジネス」についての話題を軽く紹介します。

【概要】
・2025年、世界の水使用量は00年比で3割増え、世界人口の2/3が水不足に直面する。
・この難問を解決するには企業の力が必要だ。
・25年、世界の水ビジネス市場は05年比で8割増の約110超円という巨大産業になるとされる。

【解釈】
人口が今後どんどん増えていくのは、発展途上国であり、中でも中国が注目されている。
日本は技術力があるのでうまく切り込んでいけるのではという声もあるが、そううまくはいかなそうである。確かに日本は水に関するおもしろい技術は持ってはいるが、国の狭さや、現在のシェアなどの問題から、欧米のほうが強そうだ。 

例えば、フランスのヴェオリア・ウォーターとGDFスエズという会社は「水メジャー」と呼ばれている。そして世界の2億5千万人にサービスを提供しており、これは民間水道の7割を占めている。

ビジネスとしてはものすごい規模に成長していくだろう。だから水ビジネスの仕組みの中で、ニッチな分野を見つけて他社にまねできない技術などを持つことができれば、この波に乗って大儲けすることができそうだ。

シニアが高機能携帯を使いこなし始めた

日経新聞11月20日

こんにちは。
ずいぶん寒くなってきましたね。長野ではこの前、少しだけ雪降りました。

今回の記事は高齢者層のケータイ利用についてです。

【概要】
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・デコメや付属カメラを活用したり、携帯電話を多様に使うシニアが増えてきている。
・シニアというと、カンタン操作で通話中心というイメージが強いが、より高機能の機種を使う動きが広まってきた。
・調査会社ジー・エフの調査によると、60歳代で携帯電話メールを「よく使う」「たまに使う」と答えた人は66%に達した。

(事例)
神奈川県に住む新井さん(62)は、シニア向けで使いやすさ重視のドコモ「らくらくホン」を使用していたが、高機能の機種に買い換えた。理由は、「付属カメラの機能に満足できなかったから」だという。 携帯のカメラでは、自作の料理や家族の写真を撮ったり、店先で商品の写真を備忘録代わりに撮っておいて、家に戻って詳細を調べることに使うという。


【解釈】

従来、シニア層には、カンタンシンプルな携帯が売れると考えられてきた。しかし、カンタン携帯から高機能携帯に買い替えるシニアが増えてきたという。60歳代でメールを使う人が66%もいるというデータには驚いた。(このデータがどのような調査でから出てきたのかは不明だが、ここでは公正は調査だとする)

若者のほうが活発で消費意欲も高いため、携帯に対する≪認知→興味→欲望→記憶→購入≫の流れ(AIDMAモデル)は早い。
しかし今まで多くのシニアが、携帯に対する「興味」を持てなかったため、≪認知→興味→欲望→記憶→購入≫の流れは、若者よりもワンテンポ遅かったのだと思う。

今まで携帯が若者中心に売れて、シニアにあまり売れなかった理由は、おそらく携帯の操作が難しいからではなく、興味欲望が湧いてくるのがゆっくりだからだと思う。

では、ここから携帯販売会社がしなければならないことは何だろうか?
多くの携帯が発売され、シニアの多くが携帯をもつようになると、当然、顧客(シニア層)は携帯に関して「ワガママ」になってくる。つまり「あれがいい、これがいい、それはいらない」と言うようになってくる。 
このように顧客ニーズが細分化されていく中で、どうすれば顧客の「ワガママ」に応えられるビジネスができるか、それが携帯販売会社の考えるべきことだろう。