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月別アーカイブ: 9月 2013

伊勢丹「買い物袋」デザイン変更の意味

日経新聞2013年9月19日
『伊勢丹「買い物袋」デザイン変更の意味』
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主旨

三越伊勢丹ホールディングスは、百貨店「伊勢丹」の買い物袋のデザインを10月30日に刷新する。
従来より明るい緑色をベースにしたチェック柄になる。デザイン変更は半世紀ぶり。

Why?
たかが買い物袋と言えど、そのデザインを変更すること自体がニュースになる、ということがまず驚きである。
それだけ伊勢丹ブランドの歴史が際立つし、改めてなぜデザイン変更したのか等の関心を呼び起こされた気がする。

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熱い。冷たいパンケーキ。

日経新聞2013年9月18日
『熱い。冷たいパンケーキ。』
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http://www.m-and-co.net/henryandcowell/newinfor/main_new.html


主旨

パンケーキが人気だ。福岡市天神大名地区は激戦区。その中にあるケーキ店「ヘンリー・アンド・カウエル」が販売する冷たいパンケーキは、常識を覆すめずらしさもあり、人気が冷めない。

焼き上がった後、-30度の冷凍庫で冷やし、冷たいカスタードクリームを挟む。ダブル(980円)とシングル(680円)があり、ソースはマンゴーとストロベリー。
9月末の期間限定で常時販売の熱いパンケーキと比べ売り上げは2倍。

Why?

最近は、コンビニ等でも、「ちょっとぜいたく」程度な高価格スイーツが良く売られている。そんなちょい贅沢なスイーツは世に多く出るようになったが、それらは1つ1つの素材を良いものにすることで実現しているケースが多いと感じている。だがTV等でそんなスイーツの誕生秘話のような映像を見ると、コスト面でもかなりの企業努力が求められていると感じた。

一方、パンケーキにように、シンプルに“熱い”→“冷たい”と意外性を加えるのはそう難しくはなさそうだし、その加工によって、今までの食品との違いもハッキリ出せ、違った価格帯で勝負できるのだと思う。
発想の転換で今までの土俵からでて、新たな土俵を作れば、一躍先駆者になる。
大企業の商品開発ならハードルが高いことでも、店舗独自であればチャレンジしやすい。これは小規模店舗だからこそできるチャレンジだろう。

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ビッグデータで転職成約率は上げられるか?

日経新聞2013年9月17日
『ビッグデータで転職成約率は上げられるか?』
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主旨

国内の転職市場では、成約率の低さが業界全体の課題となっている。
リクルートキャリアは、転職紹介事業「リクルートエージェント」でビッグデータの活用を始めた。過去1年間にサービスを利用した数万人分の履歴を活用し、職歴や住所、技能、TOEIC、年収などを類型化し、求人側が求める人材を見付けやすくする。今までは転職を仲介する営業担当者が過去の経験から適切な人材を探し出していたが、ビッグデータの活用でマッチングの精度を上げる。
まずはシステムエンジニアと人事担当に求人を絞って活用を始めた。同社は成約数を7割程度増やせるとみている。

So What?

営業担当者が人材を選び出すときに、「経験」ではなく、ビッグデータをもとに「システム」を利用して選び出すことで、担当者間の力量の差が補正されることになり、大きなハズレを防げる、という面があるだろう。

ただ、IT業界では常に人材不足で、企業は常に良い人材を探している状態。その中で人材探しは「必要の応じて」でなく随時行っている企業も多いと思う。その為、マッチング精度を上げたとしても、転職希望者の全体数はつねに不足気味であり、企業側は多くの面談数をこなしたいと考える為、成約率の大きな改善につながるかどうかは不明だ。

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ゲームも2極化?

日経新聞2013年9月16日


今日のTOPIC

『ゲームも2極化?』

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バンダイは年内にも家庭用ゲーム機向けに主力ソフト2作品を世界で無料配信する。従来主力だったディスク販売は、スマホゲームアプリの無料配信に押され気味の為、対抗する。今後ソフト販売はゲーム内で課金するスマホ型が主力になりそうだ。

* * *

「イニシャル回収型」(ソフト販売による収益)から「アフター回収型」(ソフト購入後の課金による回収)へ変わりつつある。

そもそも回収の仕方が変われば、企業側の動きもそれに合わせて変わっていく。目的が「いかにソフトを買ってもらうか」から「いかに長期間プレイして課金してもらうか」に変わる為、プロモーションの方向性が大きく変わることになる。ソフト購入後に長期間にわたってユーザを惹きつけ続けられるかということが重要になってくる。

では実際にそのような流れになった時、どのようなソフトが増えていくか? 長期にわたる課金を想定すると、おそらく、“小型”のゲームよりも、“大型”のゲームが増えていくだろう。小型のゲームとは、気軽に簡単に誰でも遊べるようなゲームであり、大型のゲームとはユーザの熟練度やレベルが際限なく上げられたり、楽しみ方やゲームの進め方が決められていないやり込めるゲームのことだ。

大型ゲームが増えた場合、それはターゲット層をゲームヘビーユーザーにより絞っていくことになると思う。それは反面、「家族で楽しむ」や「気軽に楽しむ」等といったゲームは少なくなるかもしれない。多く課金してくれるヘビーユーザと、課金まではあまりしないライトユーザに2極化していくのではないかと思うが、両層をどうバランス良く取り込んでいくかが、ゲーム会社としては重要になってくるかもしれない。

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キューピーはブランドイメージを変えようとしているか?

日経新聞2013年9月15日


今日のTOPIC

『キューピー、女心つかめ』

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キューピーは高級食料品店「ディーンアンドデルーガジャパン」に15%(約3億)の出資を行った。
ディーン社は30~50代女性を中心に支持されており、海外の流行を活かした売り場作りや店舗で開く料理教室等が人気。出資(資本提携)によってキューピーは、ディーン社に社員を派遣し、情報発信等のノウハウを学んで自社の商品開発に活かす考え。
ディーン社は欧米の食材店や、食材生産者を訪ねる視察研修等にキューピーからの社員を参加させる方針。

So What?
ディーンアンドデルーガのwebサイトを覗いてみたら、シンプルでおしゃれな印象だった。
http://www.deandeluca.co.jp/

新聞記事ではキューピーが女性向けのマーケティングを強化するために出資するという内容に感じたが、webサイトを見て率直に感じたことは、単に「女性ターゲット層に強くなる」というよりは、加えてキューピーというブランドのイメージを上げる為のノウハウを学ぶ、という面もあるのではないかと思う。キューピーとディーン社のサイトの雰囲気が余りにも違うからだ。にもかかわらずディーン社のノウハウを吸収するのは、キューピーの方向性としてディーン社は近いものがあるからと考えられる。

自分のイメージだが、キューピー=マヨネーズ=家庭的・庶民的というイメージを持っている。
調味料系の商品開発や、TVでのレシピ紹介等を通して、独自の立ち位置を確立したキューピーは、次の段階に移ろうとしているのかもしれない。ちょうど無印良品やユニクロのように、“安い・庶民的”イメージの時代から高品質を認められながら成長し海外展開も実施し、立派なブランドに成長していったように、キューピーもブランドイメージの層を上げていこうとしているのかもしれない。だとすると、今後のメディアでは今までと違ったキューピーの顔が見られるようになるかもしれない。

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